【プロマネのコツ #2】顧客と話すときに大切にしていること

プロマネは役割上、顧客と話をすることが多い。

自分や同僚が顧客と話をして、うまくいく場合とそうでない場合がある。

今回は自分の経験をもとに、顧客と話すときに重要なポイントを整理してみた。

結論として、以下の5点が大切。それぞれ説明する。

些細な話のときも簡単な資料を作る
相手の話が理解できているか確かめながら進む
相手の認識を軸に考える
悪い報告は次のアクションとセットで話す
顧客側の発言を中心に話を組み立てる

些細な話のときも簡単な資料を作る

どんな些細は話をするときも、資料は作った方が良い。たとえメモ書きのような資料だったとしても、顧客に見せながら話した方がスムーズに進みやすい。

顧客に説明する前はメモなしでもうまく説明できると思っていても、いざ顧客と話始めると、結構うまく話せない。

  顧客の時間を無駄にしないように、と無駄に早口になる。
  相手に伝わってるかどうか不安になって、無駄に多く話をして逆に伝わらない。
  相手は話の全体像が見えないので、相手から論点と違う部分で指摘をもらう。

 このような問題は、メモを見せながら話すだけで解決してしまう。

 「メモ見てわかったんで、説明しなくても大丈夫ですよ」と口頭での説明すら不要になることも多い。

私の場合は、Web会議がほとんどなので、画面共有で自分のメモ書きを見せながら話をするようにしている。

メモ書きの場合は、こちらのGoogle Documentのデザインを使っている。相手からも読みやすくてとても良い。

相手の話を理解できているか確かめながら進む

これもとても重要だ。

あたりまえだが、顧客は自分と違う会社の人なので、
バックグラウンドが自分とは大きく違う。

同じ表現でも、自分と相手で意味合いが全く異なったりする。

「自分の当たり前」と「顧客の当たり前」が結構違う。

例えば、顧客が以下のように連絡してきたとしよう。

「この案件は4月リリースでお願いします」

これ、実際にいつが締め切りなのかは、顧客によって結構違う。

Case1. 4月頭リリースなので、3月末締切
Case2. 4月末リリースなので、4月末締切
Case3. 4月のどこかでリリース。具体的な日付はこれから相談。

これを「自分の当たり前」で判断して間違ったら大変だ。

こういうときは自分が相手の話を理解できているか確かめながら進む必要がある。
相手が言った内容を違う言葉を使って説明・確認すると進めやすい。

「承知しました。4月リリースということは3月末までに全部終わらせる必要があるということですね?」

このように聞くだけで、認識ズレが一発でわかる。

相手の認識を軸に考える

良く自分の認識と相手の認識にズレが出てくることがある。

このときに、ひたすら「自分の認識はこうだ!」と説明しても話が進まない。相手と自分はちょっとした対立状態になり、一緒に考えることができなくなってしまう。

相手 → ← 自分

ここで重要なのは、この時点で相手の認識が合っているかどうかはどうでもいいということ。

相手の認識が間違っていても、こちらが一方的に自分の認識を伝えるだけでは問題は解決しない。

相手と認識のズレがあると感じたら、まずは相手の認識を正確に理解することに集中した方が良い。

「あなたの認識はこうですか?」

「ここに関してはこういう認識ですか?」

これを理解した後に、ズレてる箇所をひとつひとつ話していく。

「あなたの認識はこうだと思うんですが、実は私の認識はこうでした。」

「こういう風に認識していたと思いますが、実は今こういう状況になっています」

こうすることで、相手と一緒に認識ズレについて向き合うことができる。

一緒に考えることができる。

相手 → 問
自分 → 題

仮に相手の認識が間違っていたとしても、

まずは相手の認識に軸をおいて話を進めるようにいくと、スムーズに進みやすい。

悪い報告は次のアクションとセットで話す

これも当たり前の話だが結構重要。

「悪いことが発覚したときは顧客にまず連絡!」ということで、とりあえず問題だけを伝えてしまいがち。
だが、そうすると相手は「で、このあとどうするの?」と不安・イライラを感じてしまう。

問題を伝えるときは次のアクションとセットで伝えよう。

このとき次のアクションは別に簡単なことでもいい。

問題は、発覚した時点では原因も対策も何もわからないことが結構多い。

そんなときは、

「〇〇の問題が起きました。まだ原因も何もわからないので、1時間後にその時点の状況をまた報告します」

これだけでも、相手は次のステップがわかって安心できる。

このとき、不確実な情報やできないことを言うのは、かえってトラブルに繋がる。

その時点で話せる範囲で次のステップを設定して、相手に伝えるだけでいい。

顧客側の発言を中心に話を組み立てる

これは3つ目と似ているところもあるが、少し別のことを説明したい。

相手に何か説明するとき、なるべく顧客側の人の発言を直接引用するようにしている。

「こういう問題があります」 → 「〇〇さんからこういう課題の指摘を受けています」

「状況は改善しています」 → 「✕✕さんから、状況が改善したと言ってもらっています」

実際のその発言をメールやチャット等で頂けているのであれば、その部分のスクショをとって、説明資料上に載せてしまうととても伝わりやすい。

説明の際、中身を説明する必要は無い。単純に「これが実際の✕✕さんからのメッセージです」と説明すればいいだけ。

このように説明すると単純に相手に信じてもらえやすいということもあるが、そもそも自分の仕事の姿勢も変わるのが大きい。

このような報告をしようと思ったら、自分がそう思っているだけではできない。

相手に同じように思ってもらうところまでを一つの作業のゴールにしないといけないので、

「あなたがそう思っているだけで、実際は違う」というようなトラブルを未然に防ぐことができる。

まとめ

顧客とのコミュニケーションは、プロジェクトの成果物には直接関係しないことも多いかもしれないが、顧客満足度には直結する。

重要なポイントを押さえ、顧客に納得感を持ってもらいながら、プロジェクトを進めていきたい。

この記事を書いた人

ぽたぽた