仕事を渡すときは、作業で渡すのではなくゴールで渡す。
これは以前働いていた会社のGMの人から教わったプロジェクトマネジメントのテクニックで、今でも仕事でよく使う便利な考え方。
どういうことか理由とともに見ていこう。
概要
仕事を振るときには、細かい作業に分割してから渡すのではなく、「最終的にはこうしたい」「ここが目的地だ」のようにゴールで渡すのがいい。
これには大きく2つ理由がある。
理由
その1 作業者が頭を使えるから
例えば、以下2つの作業の振り方を考えてみよう。
- 大阪駅に向かってください。経路は自分で決めてOKです。
- まず、ここから京浜東北線で品川に向かってください。
その後、新幹線のぞみで新大阪駅に向かって、JR神戸線で大阪に向かってください。
1は仕事をゴールで渡した場合、2は作業で渡した場合だ。
仮に京浜東北線が人身事故で止まっていたとしよう。
このとき、2の振り方をされた作業者は、再度指示をもらわないといけない。
「京浜東北線が止まってるんですが、どうしたらいいですか??」
ゴールで仕事を振られた作業者は仮に自分が決めた手段が不可能と分かった場合も、自分で代替案を考えることができる。
「京浜東北線がダメだったから、山手線で品川を目指そう」
これは、作業をゴールで渡した効果に他ならない。
また、作業者が自分よりも良い手段やアイディアを持っていた場合、指示者が作業に分解してしまうと、そのチャンスは失われてしまう。
作業者の頭を有効活用するためには、仕事をゴールで渡した方が良い。
例えば、あなたが10人のチームのマネージャーだとしよう。
あなたの頭脳1つだけを使うか、10個の頭脳を使うかでチームのパフォーマンスは大きく変わってくるだろう。
その2 作業者の成長に繋がるから
人間は頭を使って仕事をすると早く成長できる。
部下にゴールで作業を振ると、最初は50点の仕事しかできなかったとしても、次は90点、100点を取ってくれるようになる。
指示者は「自分だったらこういう手段でやった」という形でフィードバックしやすい。
作業者もひとつひとつの工程をなぜやったか、後から考えやすい。自分で考えてやったからだ。
作業で仕事を振る場合は、最初からある程度の点は取ってくれるが、成長はあまり見込めない。
しかも、あなたが毎回仕事を作業に分解してあげないといけない。
長い目で見てチームの成長を考えたときに、仕事はゴールで渡した方が良い。
まとめ
仕事を渡すときは、作業で渡すのではなくゴールで渡す。
チーム全員の頭脳を使ったり、チームの成長に繋がりやすいからだ。
頭脳を使う必要がなかったり、最初から決まったクオリティが求められる場合には、マニュアル化等で作業で仕事を渡した方が良い。
状況に応じて使い分けよう。